はじめに
おつかれさまです。Lukeです。
特に大会で結果が出たとかではないのですが、CL京都でレギュレーション変更が発表されたので、クレイバースト発売以降ずっと使って記事の投稿もしてきたオンバーンexのE〜Gレギュレーションの集大成となるリストを記しておこうと思います。
過去記事リンク
【第9回きんのたま杯】義務オンバーンex改 - 底なし沼の底
【シティリーグ2024シーズン1】オンバーンex - 底なし沼の底
デッキリスト
デッキコード:8xDcY8-YFKpnC-x48Gc4
環境と構築
ミミッキュの採用
シティリーグの時に古代未来環境でオンバーンを使うのは無理があると言いました。
その理由として第一に挙げたのは、急激に数を増やして台頭したミライドンexに不利をとることです。
その後の調整でこれを革命的に解決するブレイクスルーがありました。
それがミミッキュの採用です。
ミライドンデッキは一般的にモココ以外に進化ポケモンを採用しておらず、オンバーンexの『おんみつひこう』が強く刺さる対面に見えます。
それでも僕がこれまでミライドンは不利だと唱えていたのにはおんみつひこうを打っているだけでは勝てない理由があります。
それがごっつあんプリファイの存在です。
バトル場のオンバーンexがおんみつひこうをしたところでダメージが低すぎるため、相手に好きなだけ好きなことをする猶予を与えることになります。
そうなると、こちらのベンチに何がいようとごっつあんプリファイまたはダイナミックスパークによってボスの指令あるいはあなぬけの紐1枚をサイド2枚に変換することができ、おんみつひこうで盤面が詰む前にサイド6枚を回収され勝負が決してしまうのです。
もちろんバトル場オンバーンexのみでベンチポケモンが誰も居なければ隠密飛行単騎で詰め切ることも可能ですが、後攻1ターン目から攻撃することが容易なミライドンexデッキに対して単騎盤面を作るのは種切れのリスクがあまりにも大きく、現実的なプランではありません。
そこでミミッキュの採用に気がつきました。
ミライドンデッキで隠密飛行を拒否するカードの採用はヒモ2枚ボス2枚が一般的で、更にハイパーボール、ピオニー、博士の研究、イキリテイクなどの大味に手札を捨てるカードの採用が多く、細かくリソースを管理する能力には乏しいため、隠密飛行拒否札4枚の全てを有効に使用することは難しい場合が多いです。
隠密飛行をしているオンバーンの後ろにミミッキュがいると、あなぬけのヒモを打ってもごっつあんプリファイでサイドを2枚回収できないため、そこから更に隠密飛行を拒否できる札が減ります。
仮にミミッキュを特性エレキシンボルのサンダーで倒されたとしても、サイドが奇数進行に変わるのみでリーサルターン数に影響しません。
以上のことから、オンバーンexが前で隠密飛行を宣言し続け、ベンチにミミッキュを置くという盤面を作るだけで勝ててしまうことに気がつきました。
25分の制限時間内に試合を終わらせるのには対戦相手との良好なコミュニケーションが不可欠なプランだとは思いますが、従来から使用しているリストに準ずると隠密飛行連打でバラバラに散ったダメカンは最終的にロストマインで回収できるため、リスクを負いながらにはなりますが時間内に終わらせるプレイも選択できると思いました。
バトルVIPパス
僕はバトルVIPパスというカードが大嫌いです。
嫌いなので自分で納得のできる合理的な採用理由がなければ基本的には不採用でデッキを作ってきました。
VIPパスが好きだという愚か者は以下の記事を参考にしてください。僕がデッキを作る上でとても大切にしている考えが書かれていて大好きな記事です。
それでも、古代未来環境では高い再現性で後攻1ターン目から強力なワザを使用するような高速で高出力のデッキが多く、ネストボールだけの山ではゲームスピードについていけずそもそも試合にならないケースも散見されるようになってしまいました。
というわけで僕も本当に、本当に断腸の思いでVIPパスを採用するに至りました。
当たり前ですがデッキパワーは上がりました。クソがよ。
ロストバレットっぽい構築
ミミッキュの採用に気がつく前、ミライドンに勝てないのでは話にならないと思い色々試行錯誤をして迷走している時期がありました。
その時のリストがこちらです。
デッキコード:pMRXMX-UpPU1R-yy2MMy
フーパex、トドロクツキexなどのサブアタッカーを駆使してどうにか抗おうという魂胆です。
結論から言うと全然強くありませんでした。
更に直接的な強さとは関係ない部分で特に気持ち悪かったのがボール配分で、ロストバレットデッキでは初速にVIPパスを使いたい一方、試合の要所要所で最適なアタッカーをミラージュゲートから起動するためにネストボールを必要とします。
実際、大会入賞リストなんかを見ているとVIPパス3ネスト3の構築が多く反吐が出ました。
オンバーンデッキにこのシステムを組み込むとなると、この気持ち悪さに加えて初動のオンバット手貼りを確保する霧の水晶、オンバーンexに触るためのハイパーボールまたはフェザーボールとのバランスまで考慮せねばならず、気持ち悪さ以前にデッキスロットにかなりの無理がありました。
それは上に貼ったリストからも感じられると思います。
その点、霧の水晶でもフェザーボールでもタッチできるミュウexは優秀だと言えます。
ギラティナ対面の苦しさ
ミミッキュを採用したことでミライドンに有利がつくようになり、課題として残された対面はリザードン、パオジアン、ロストギラティナが主だった顔ぶれでした。
パオジアンは数を減らしており、リザードンはデヴォリューションやミミッキュを上手く使うことで勝負できる雰囲気があったもののギラティナだけは本当に厳しい対面かつ、環境でも大きなシェアを占めていました。
大会に持ち込むならばギラティナに当たった瞬間降参では話にならないと思い、様々な試行錯誤をしましたが結局五分と言えるほどまで持っていくことはできませんでした。
しかし、ギラティナ以外の対面はオンバーンを軸とした動きだけで概ね解決できており、ロストバレットごっこをする必要は無いという結論を得られました。
幸いにもロストバレットごっこの中でギラティナに最大の"Silver Bullet"を担っていたのは構築上最も扱いやすいミュウexであったため、ミュウex以外のロストバレット要素を排除してデッキ配分を綺麗にまとめ、オンバーンex軸としての動きを盤石にすることで構築を完成としました。
例えば、小粒の非ルールポケモンだけで戦うロストデッキがロストギラティナと対峙したとき、ギラティナ側のプレイはひきさく→一発貰ってから進化してロストインパクトのような流れになるはずで、それはロストインパクトは過剰な火力であるためVSTARへの進化がHPラインの上昇以外の意味を持たないからです。
しかし、オンバーンexがドミネートエコーでジェットエネルギーを止めながら(おまけに手札次第でポケモンリーグ本部を盤面に固定することもできる)サイドを1枚ずつ取り進めてきている状況ではロストインパクトでオンバーンexを葬るのが最も効率的であり、HP満タンのギラティナVSTARがバトル場に現れてくれることになります。
つまりミュウexをギラティナVSTARへの弾丸として使うのには、オンバーンexが先陣を切る必要があるということで、オンバーンex軸の動きを前提にプレイすることになる点で綺麗です。
各対面雑感
毎回予防線で書いてますが、有利不利の表記はあんまり気にしないでください。
・ミライドンex 有利
上に述べた通り。ミミッキュを裏におき、紐ボスダイナミックスパーク等で隠密飛行が途切れないように初動でオンバットを2体は置いておきます。
ジェネレーターがスカったりしてエネの付きが悪そうならリーグ本部ドミネートエコーを打つほうが強いです。
雪道は先1で置けると強いので引けたら即置きです。
・ロストギラティナ 不利
まずはガチガチバンドをつけたオンバーンexでドミネートエコーの宣言を目指し、オンバーンをスターレクイエムかロストインパクトで倒されたらゲノムハックで取り返すのが基本プランです。
アビスシークを宣言したギラティナにドミネートエコーを打つと入れ替えカートで140×2の圏内から逃げられてしまい、2回以上の行動を許してしまうため紐を上手く使ってギラティナVにドミネートエコーを打つことは避け、オンバーンexで1枚ずつサイドを進めるようにします。
ゲノムハックでギラティナVSTARのワザをコピーする際、自分側のロストゾーンが10枚貯まっていればスターレクイエムを宣言できるためエネルギーをロストせずに済み次の展開が楽です。
雪道は手札にあれば雑に置いて隠し札を止めます。あちら側のスタジアムは雪道しか入っていないため割られることなく進行できます。
リーグ本部は置くと割られてしまうので、置くときはドミネートエコーか手札干渉を重ねます。
・ロストバレット 微有利
トドロクツキ型、カイリュー型など色々いると思いますが、いずれもリーグ本部ドミネートエコーが強烈に刺さるので狙っていきます。
キュワワーを倒すときは隠密飛行を宣言しておくと『くるいえぐる』以外で倒されないので盤面次第で狙います。
あとは対ロストのセオリーとして要所での手札干渉を意識します。
・トドロクツキex(非ロスト・オーリム型) 五分
カラミティストームの追加効果はスタジアムをトラッシュしなければ乗らないため、こちらからスタジアムを置かずにドミネートエコーを打てばトドロクツキexは実質くるいえぐるを宣言するしかなくなります。
くるいえぐるを宣言したトドロクツキexなら簡単に倒せるので、道連れ攻撃に屈さずにドミネートエコーを宣言し続ければ勝つことができます。
釣り竿とミラージュゲートを大事に使って3体目までオンバーンexを次々に育成するのが目標です。
どこかでエネ加速テンポが遅れそうなシーンがあれば、リーグ本部を置いてドミネートエコーすると1ターンもらえる可能性が高いです。
ミライドン同様初動の雪道が重いデッキなので、先1から手札にあれば積極的に置きます。
・リザードンex 五分
後攻エヴォリューション型の場合、雪道を置いてドミネートエコーをすれば煉獄支配を使えないため1ターン無料でもらえます。
まけんきハチマキ込みで残りサイド4からオンバーンexを一撃で突破されるのが苦しいので、ガチガチバンドを引ければ有効に使いたいです。
ピジョット型の場合は雪道ドミネートエコーとデヴォリューションが強烈に刺さるので、オンバーンを一撃で突破されないサイド枚数を意識しながらダメージを置いてデヴォリューションを打ちます。
リザードンデッキの多くはミミッキュを突破できるポケモンがリザードとかがやくリザードンしかいないため、相手のバトル場にゴーストアイで70点置く意味がありそうならミミッキュも使います。
フレアヴェールのリザードがやや面倒です。
・サーナイトex 微有利
最近のサーナイトexはフトゥー博士のシナリオとセイボリーに枠を割いており、作業員の採用が少ないのが追い風です。
雪道ドミネートエコーでサイコエンブレイスとリバーサルエネルギーと月明かりの丘を同時に封じてしまえば大きなアドバンテージを得られるので、とにかくそこを目指します。
カウンターキャッチャーナンジャモでドミネートエコーの宣言が途切れるお祈りをされると面倒なので、極力余計なポケモンは出さず、エネルギーを含む入れ替え札を浪費しすぎないようにします。サケブシッポ対策でマナフィが必要なこともあるので状況次第ではありますが。
・ミュウVMAX 微有利
ブロックスライダーで盤面をボロボロにされると負けるのでマナフィは必ず置きます。
どこかでピーニャ雪道ドミネートエコーを通せばほぼ勝ちで、ガチガチバンドがついたオンバーンを倒すタブレット要求も高いので追い詰められても焦らず詰み盤面を見据えて動きます。
・ルギアVSTAR 微有利
アッセンブルスターを宣言される前に雪道ドミネートエコーが決まればほぼゲームセットです。ただしバケッチャやロストスイーパーが入っている場合もあるので悠長はせず、次の瞬間にも動かれるつもりで戦ったほうが安全です。
動かれた場合は、最終的にピーニャ+リーグ本部+ドミネートエコーによる詰みを狙います。アーケオスを事前に倒すことができれば完全な詰みにもっていけますが、中々そう上手くはいかないのでアッセンブルスター宣言前にできるだけサイドを稼いでおきたいです。
アーケオスを処理できれば大幅に有利になる関係上、もしルギアを重く見るのであればカウンターキャッチャーとフライングエントリーのルチャブルを採用すると効果的です。
ルチャブルはアーケオスのHPを両方ドミネートエコー圏内に押し込むだけでなく、ロストマインでHP70を2体気絶させる定番の動きにも使えます。
・インテウーラ 有利
雪道ドミネートエコーでダブルシューターもペインスプーンも使えず、れんげきエネルギーも貼れないので決まればほぼ勝ちます。
ただし、基本水エネ2枚のキョダイウズマキからデヴォリューションでオンバーンを倒され、次のオンバーンが立たないと負けるので注意が必要です。
・ブジンエンテイ 微有利
隠密飛行で詰み、かと思いきやタキオンビット+デヴォリューションとヨガループによる効果スキップがあるので隠密飛行はあまり得策ではありません。
雪道ドミネートエコーは大量に搭載された入れ替え札を腐らせ、マグマの滝壺やジェットエネルギーも封じられるので有効です。
イキリテイクでデヴォリューションが切れてしまったなどの場合は隠密飛行でもよいですが、基本は雪道ドミネートエコーによる封殺を狙います。
ブジンパルキアは隠密飛行の択がないので雪道ドミネートエコーで頑張って殴り合います。
・パオジアンex 不利
ミライドン同様、ミミッキュでヒモを腐らせると隠密飛行を拒否してベンチからサイドを2枚取る手段が多くて3回、少ないと0です。
ただしミライドンと違ってそこそこ強い進化ポケモンのセグレイブがいて、ベンチを攻撃できるゲッコウガがいます。
一応、セグレイブのバスターテールはガチガチバンドがあれば2発まで耐えられるので、逃げ0のオンバーンをくるくる受けまわしながら隠密飛行で7点を当て、デヴォリューションでまとめてセグレイブを消すのは強力です。
雪道ツツジカウンターキャッチャーでビーダル→ドミネートエコーが通ればターンをもらえる可能性が高いので、パオジアンを強く意識するならカウンターキャッチャーを多めに採用します。
雪道ドミネートエコーで一度止まってしまえば再起動が運任せなデッキではあるので狙えそうなときは狙いますが、ブン回られると大体厳しいです。
・サーフゴーex 微有利
作業員が多投されてはいるものの、ドローソースをサーフゴーの特性に頼っているため雪道ドミネートエコーで止まって手札に作業員が無ければトップ解決するまでターンをもらえます。
ハッサムでダメージを稼がれないように場の特性持ちの数には気を配ります。
・ガケガニマルマイン 有利
ダブルターボしかエネが無い型であればリーグ本部ドミネートエコーで完全に停止します。どんなに負けていても捲れる勝機があるので諦めずにピーニャリーグ本部ドミネートエコーに辿り着ける瞬間を待ちましょう。
隠密飛行は効くには効きますが、ダメージが低すぎて毒火傷でもらうダメージといい勝負なのであんまり有効ではないです。
・レジギガス 有利
隠密飛行で基本は詰みますが、テツノツツミで避けられるので過信は禁物です。
盤面がレジで埋まってしまえばテツノツツミは出てこないので、ヒモとボスを使って隠密飛行のダメージを蓄積してからロストマインで一気に盤面を削ると強いです。
一応対レジギガス特化の崩れたスタジアムドミネートエコーという必殺技は存在しますが、他に使いどころがないので不採用です。
・ゾロアークバレット 有利
リバーサルエネルギーが貼れないのでほぼ負けません。
プテラの退化光線は打たれると危険なので注意しておきます。
・だんけつのつばさ 有利
隠密飛行で終わります。
ガチガチバンドの使いどころ解説(おまけ)
・隠密飛行で突っ張ってるとき、フォトンブラスター+モココのエレキボールを耐える
・おとぼけスピット → ひきさく を耐える
・セグレイブのバスターテールを2回耐える
・ミュウのテクノバスターのタブレット要求枚数が1枚増える
・ドミネートエコーでサーナイトのリバーサルエネと月明かりの丘を止めているとき、サイコエンブレイスで限界までエネを付けた後オンバーンを一撃で倒すのに手貼りでは足りなくなる
・リザードンexのバーニングダークで倒れるサイド枚数を1枚ずらせる
・ベンチフル展開あくうのうねりを耐える
終わりに
オンバーンexの最も重要なパーツとすら言える、頂への雪道がまもなくスタン落ちします。雪道がスタン落ちしてもまだ戦えると僕は思っていますが、雪道ドミネートエコーは見納めになりそうです。
僕は作ったデッキリストを画像で保存して貯めているのですが、今回の記事の投稿にあたって数えてみたところクレイバーストでオンバーンexが登場して以降、僕が作ったデッキリストはオンバーンだけで155個ありました。
細かい調整で記録してない分もあるので実際はもっと多いですが、そう思うと1枚のカードのためだけに随分色々やったような気がしてきます。
呼んでいただきありがとうございました。
何かありましたらTwitter(X) (@Luke_Noivern)までお願いします。