はじめに
はじめまして。Lukeと申します。
今回第8回きんのたま杯にて発売したばかりのオンバーンexを使用してベスト8に入賞することができましたので、構築の内容について記事にしたいと思います。
私のTwitterID、@Luke_Noivernの後ろについているNoivernとはオンバーンの英名です。
Noise + Wyvernから来ているものと思われます。そのままですね。
一応好きなポケモンということになっているので、そこそこに使えそうな見た目の性能で出されてしまったからには一応使わないといけないということで構築を組みました。
オンバーンVくらい何をどうやっても救いの道の無い性能だったらこんなことにはならなかったんですけどね。
そういうわけで今回このデッキを使用した理由として「ルギア,ミュウなどの特殊エネルギーを基盤としたデッキタイプの数が多いと予想され,それらに対する強力なメタとして採用した。」みたいな偉そうな御託は一切ありません。義務だから使っただけです。何なら無駄にSR4枚そろえてしまいました。
デッキリスト
デッキコード:MMXXXp-6i3AMj-MESy2S
オンバーンexというカードについて
まずはテキストを確認しましょう。
ドミネートエコーについて
最も特徴的なのは下のワザ「ドミネートエコー」でしょう。
同様の効果を持つ他のポケモンとしてエルフーンVSTAR、こくばバドレックスVがいます。
オンバーンexはエルフーンと比較するとスタジアムを止めることができ、黒馬と比較すると打点が高いです。
スタジアムを貼れないということは、スタジアムを出してスタジアムを貼りかえることができませんので、ワザを宣言し続ける限り頂への雪道等の妨害スタジアムを貼っていると相手が「ロストスイーパー」「さぎょういん」「バケッチャ」を持っていない限りはスタジアムを除去することができません。
この時点でエルフーンVSTARとは別物なので比較は割愛します。
雪道固定+特殊エネロックにより完全に機能が停止するデッキ(ルギアVSTARやミュウVMAX)を対策するだけならば、黒馬で十分です。その方がワザを打つハードルが低いですし、別に打点が10ダメージでも勝ち切ることができます。
ではオンバーンexで同じことをやる理由はどこにあるでしょうか。
それは不完全なロックであっても相手の速度が大幅に低下することを利用して、ダメージの高さを活かしてダメージレースで純粋に優位に立てる点にあります。
すなわち、相手が基本エネルギー基盤のデッキであっても、デッキのエンジンを停止させることで十分勝利を見出すことができるカードパワーがオンバーンexの魅力だと言えます。
黒馬で同じことをやってもミュウやルギアにしか勝てませんが、オンバーンであれば「ルール持ち特性に依存したその他すべてのデッキ」を射程圏内に捉えることができるわけです。
おんみつひこうについて
たねポケモンからワザのダメージを受けない、そらをとぶピカチュウVMAXや「ブロックフェイス」のコオリッポと同じ効果を持っています。
これはわかりやすくたねポケモンしかアタッカーが入っていないデッキを完全に詰ませることが可能な効果で、レジギガス、ディンルーexなどのデッキタイプに対して圧倒的な優位を作り出すことができます。
一般にたねポケモンでの攻撃を主体とするデッキ(ミライドンex、サーナイトex、パオジアンexなど)は基本エネルギー基盤であることが多く、特殊エネルギーメタのドミネートエコーでカバーできない範囲によく噛み合っている効果だと言えます。
弱点なし・逃げるエネルギーがゼロ
一見便利なだけに見える部分ですが、このカードの性能の非常に重要な部分を担っていると思います。
ドミネートエコーの効果によって完全に機能停止に追い込むことはできない基本エネルギー主体のデッキは強力なルール持ち特性にシステムを依存していることが多く、雪道固定によってフルパワーの出力を発揮できない状態を作り出すことができます。
そのような状況下でオンバーンexの弱点なしHP260を一撃で粉砕するのはほとんど不可能に近いため、大抵の場合バトル場で一発攻撃を耐える状況を実現します。
そこで逃げるエネルギーが無いことが大きな効果を発揮します。
ベンチで育てておいたHP満タンのオンバーンexと交代して再度ドミネートエコーを宣言することで、相手がサイドを進行するための攻撃回数(またはボスの指令を使用する回数)を上げることができます。
逃げるエネルギーがある場合は後ろに下がったポケモンが即座にワザを使える状態ではなくなるため、手貼り権が余らず次のポケモンを育てる余裕がなくなり、逃げて逃げて逃げ回ってもジワジワと盤面は不利になっていきます。
ところがオンバーンexは逃げるエネルギーがゼロなので、逃げて逃げて受けまわしながら更なるオンバーンexを育てることができ、継戦能力に長けています。
以上を踏まえて具体的に採用したカードの解説に移ります。
構築
まず、先攻2ターン目に手貼り(超)手貼り(悪)進化雪道ドミネートエコーが宣言できないとここまでの議論が全て水の泡になりますので、その再現性を第一に重視しました。
雪道はサーチ手段がなく、4枚積んで気合で引き込むくらいしかやることが無いので黙って4投。しか言うことがありませんし、進化については進化ラインなりボールなりをしっかりと積めば再現性を高めるのは簡単なので難しくありません。
問題は異なる色のエネルギーを2回確実に手貼りすることにあります。
雪道を4枚積むデッキで、ルール持ちの特性が使いづらいデッキタイプでありながら先攻1回目の番に確実に1枚手貼りのエネルギーを持っておくというのは簡単な話ではありません。
エネルギーを15枚くらい積めば確実(15枚で初手にエネルギーを引ける確率が9割を超える)と言っていいと思いますが、そんなことをしたら手札がエネルギーだらけになって事故りまくるのは明らかで、実際に試合で使用するエネルギーの枚数は精々8枚くらいでしょう。(オンバーン3体で6枚+逃げエネなど)
そこにサイド落ちや手札コストを考慮すると適正エネ枚数は10枚程度と概算できます。
しかし経験上基本エネルギー10枚で、しかも異なる色を2ターン連続で手貼りするのは厳しく感じます。
ムゲンダイナVMAXのエネルギー9枚でクロバットVのナイトアセットまで使って怪しいなあとか思っていたので到底無理だという感覚です。
そういう時はエネルギー転送などで嵩増しするのがセオリーですが、エネルギー転送4枚とか積んでるデッキが強い気が全くしないので今回は霧の水晶に着目しました。
霧の水晶は超エネルギー限定でエネルギー転送として働く一方ボールとしての役割を持っており、超ポケモンを並べることに価値があるデッキであれば多投することに何ら違和感はありません。
オンバーンを次々育てて戦う中では手札干渉やボスの指令を併用して可能な限りロックの強度を高めたいため、博士の研究などをブンブン打っていくのはあまり強くなさそうです。異なる色のエネルギーを要求する点を見てもエネ等を巻き込んで博士の研究を打つのは結構高いリスクを伴います。ゆえにドロー・サーチ系システムを何かしら積んでおきたいですが、このデッキは手札をあまり消費せず状況に応じて適切なトレーナーズを使っていくプランになると考えられるのでビーダルやブロロローム等は相性が悪いと思いました。
そこで霧の水晶の価値を高めることができ、長いゲームになればなるほど強さを発揮できる特性リファインのキルリアをエンジンとして組み込むこととしました。
以上が今回使用したデッキの大枠になります。デッキリストを再掲しておきます。
採用カード
・オンバーンexライン 4-4
オンバーンで受けまわすのが強力なので問答無用の最大枚数採用。
しんかのおこうが存在しないカードプールでオンバーンexをサーチするのが難しめなので、現物で引けるのが一番楽だというのもあります。
・キルリアライン 1-2-2
オンバーンexの打点はそう高くなく、多くの場合相手を2発で倒すことになるためボスの指令を要求される場面は多くなります。そこでバディキャッチのエルレイドはゲームプランを確定的にできる非常に噛み合いの良いカードだったと思います。
・ミカルゲ
霧の水晶の味が濃くなるので採用。あと僕はミュウVMAXが嫌いです。
・こくばバドレックスV
特殊エネルギーデッキのくせに平気で特殊エネルギーを貼ってくる忌まわしきルギアVSTARは、アッセンブルスターを許した時点でまず勝てません。
じゃんけんに負けて後攻を取らされた時点で負けというのは面白くなさすぎるので、後手1雪道シャドーミストで黙らせます。
・うねりの扇
完全に特殊エネルギーをロックして勝てるデッキに1ターン目で貼られてしまったエネルギーを消すために必須です。ペパーから触れるようにすることで有効に使いやすいです。
・ポケモンいれかえ 3
逃げ0ポケモンの割に多くね?と思った方も多いと思います。
ドミネートエコーでのロックは常にワザを宣言し続けていないと継続しないため、苦し紛れのボスの指令でキルリアなどを呼ばれてしまって逃げられないターンが発生すると一気に負ける可能性があります。
そういったケースをケアするために多めに採用して、こちらもペパーでさらに受けを広げています。
・げんきのハチマキ
ロストバレット系デッキをおんみつひこうで詰ませる際、ロストマインがヤバすぎるのでヤミラミを処理できるように採用。
・ピーニャ
フュージョン型ミュウはドミネートエコー宣言下でもカミツレのきらめきでエネルギーを供給できるため、うねりの扇があまり刺さりません。
試合のどこかでピーニャを打ちながら雪道ドミネートエコーが通ればそれで勝ちなので1枚だけ採用です。
構築改善案
きんのたま杯に出場したあとの感想
・VMAXを倒すのに3ターンかかるのが厳しすぎる
サーナイトexの特性を止めて手貼りだけで育ってくると、HP310でダメカンが乗っていない状態でミラクルフォースが飛んできて、3回攻撃してサイド2枚しか取れない苦しい盤面ができあがります。
同様のことがVMAX全般にも言えるため、こだわりベルトとおはらいグローブの採用を検討したいです。
2進化exとして台頭しているのがサーナイトくらいしかいない点、ヤミラミ対策のげんきのハチマキの代用になれる点を加味しておはらいグローブは採用圏内じゃないかなと思っています。
・結構みんなちゃんとボスキルリアで祈ってくる
いれかえいっぱい積んでて良かったですが、ギリギリだなと思いました。
できればもう1枚くらい欲しいです。
・ピーニャはいらない
ミュウ以外の対面は基本的にうねりの扇で解決しており、ミュウ対面もミカルゲを置けているならそもそも有利なので過剰かなと思いました。
・ともだちてちょうが引けない
どのデッキもそうですが、やっぱり信用できないのでサポート現物積みます。
変更後デッキリスト
デッキコード:xJ84KD-SkvF38-xYDDYc
その他の採用検討カード
・ミミッキュ(しんぴのまもり)
おんみつひこうをあなぬけのヒモで解決されたときの壁。水晶で出る。
・クレッフィ(いたずらロック)
おんみつひこうをあなぬけのヒモで解決されたときの壁(対ウッウ専用)。水晶で出る。
・クラッシュハンマー
好きな人は積んでください。
当日のマッチング
1戦目:メロン型パオジアン 種切れ勝ち
先2うねりの扇でわからせようと思ったらジャッジマンを打たれてしまい、トリニティノヴァは止められないかと思ったら基本エネに触れなかったようで番が返ってきたのでピーニャドミネートエコーでわからせて勝ち。
3戦目:エレキミライドン 負け
優勝したら何か1つパパに勝ってもらえると言ったジェネレーターパチプロの少年、何でも好きなものを買ってもらえ。
4戦目:プテラVSTAR+ディンルーex 勝ち
ディンルーコライドンだけならばおんみつひこうでかなり強く出られるのですが、ロストダイブでダメージを通してくる上、ディンルーの裏2点込みで倒されてしまうので結構難しいゲームでした。
5戦目:サーナイトex 負け
早期に手帳でボスの指令を山に返せていればバディキャッチボスから勝機が見えていましたが、手帳が山の最後4枚とかに埋まっていて最後の最後まで触れず負け。
これだからともだちてちょうは信用できない。
予選 3-2 オポネント上位で予選抜け
トーナメント1戦目:白馬アロコンアルセウス 勝ち
トーナメント2戦目:エレキミライドン 負け (再戦)
最終戦積ベスト8
パック争奪戦:サーナイトex 勝ち
ナンジャモでLO勝ちという壮絶な試合でした。
総評
特殊エネルギー主体のデッキに全く当たっていない割にはよく頑張った気がします。
学ぶことも多く構築を磨けたので非常に良かったです。
各対面所感
まだこのデッキでの対戦経験が全然ないので参考程度でお願いします。
ミュウVMAX
ミカルゲ置いてうねりの扇雪道シャドーミスト終わり。
ルギアVSTAR
同上。できなきゃ負け。バケッチャも負け。
サーナイトex
さぎょういんが2枚以上採用されているとかなり厳しい印象です。
相手の周り具合にも依りますが、さぎょういん1枚までなら雪道ドミネートエコー連打で受けまわして何とかなると思います。
パオジアンex
パルキアVSTARが2本以上飛んできてロストスイーパーが採用されていると厳しいと思います。雪道ドミネートエコーでパルキアを倒しながら手札干渉で水エネを貯められないように頑張ります。パルキアが入っていない場合はおんみつひこう連打して終わりです。
ロストバレット
あなぬけのヒモに対してどう立ち回っていくかが未検証です。
おんみつひこうが強烈に刺さる対面ではあります。
ロストギラティナ
同じく今のところよくわかりませんが多分キツイです。
ディンルーex
進化が入ってなければおんみつひこうで終わりですが、後ろに2点乗り続けるのであなぬけのヒモ+ワイルドインパクトなどは脅威で、雪道でペインスプーンを止めながら手札干渉していくのが重要な対面です。
レジエレキVMAX+ミライドンex
おんみつひこうを打っている限りレジエレキVMAXからしかダメージが通らず、雪道ドミネートエコーを打っていると打点が上がらないのでこちらも1発は攻撃を耐えられます。かなり不利な対面だと思いますが、ミミッキュを入れると大きく変わる対面なので要検証です。
レジギガス・だんけつのつばさ
おんみつひこうで終わり。
おわりに
おもろいのでもうしばらく使うと思います。
僕はしばらく出場する大会とか全然無いので、是非みなさん使ってあげてください。
何か質問等あればTwitter(@Luke_Noivern)までお願いします。