底なし沼の底

The two moves have become one! It's a combined move!

【ポケカAdvent Calendar2023 7日目】リスクリターンの勘定と”人の強さ”

はじめに

はじめまして。Lukeと申します。

本記事はいちょーさん主催の『ポケカAdvent Calendar2023』の7日目です。

 

毎日ポケカに関する記事を順に投稿することでクリスマスまでのカウントダウンをするという企画です。昨年も参加させて頂きました。

既に素敵な記事がたくさん投稿されているので、是非以下のリンクからチェックしてみてください。

 

adventar.org

 

12月に入るまで全然参加する気はなくって投稿された記事の面白そうなのは色々読ませてもらおうくらいの気持ちだったんですが、突然書くこと思いついた時に枠が空いてたので折角だしあげてみることにしました。

表題を日頃から意識している人にとっては大したことない内容かと思いますがよろしくお願いします。

 

リスクとリターン

ポケモンカードに限らず他のゲーム、何なら実生活にも該当するとても広くて抽象的な話をしますが、ありとあらゆる選択にはそれぞれ一定のリスク(あるいはコスト)とリターンがあり、常に『可能な限り低いリスクで、可能な限り高いリターン』を得られるように行動を決定していくのがセオリーです。

 

そのように選択すれば最も効率的に価値を得ることができます。

 

対戦ゲームにおいては取ることのできる選択肢が膨大であったとしても有限であり、ポケモンカードについていえばレギュレーション内のカードから60枚選んだデッキしか存在しませんし、対戦中はそれらのカードしか使えないという明確な制約があります。

そのためローリスクハイリターンな択というのは自ずと限られ、それを多く選択したプレイヤーが勝つということになります。

 

対戦する双方が可能な限りローリスクハイリターンを目指す考えのもとゲームを進行した場合、面白い対戦ゲームとして成立しているゲームならば大抵は法外に天秤の釣り合っていないローリスクハイリターンな美味しい択というのは存在していないことが多く、ハイリスクハイリターンな択とローリスクローリターンな択を状況ごとに使い分けるバランス感覚というのが勝敗を分けます。

 

ギャンブルなんかを例にとるとわかりやすくて、例えば麻雀の最終局で1位のプレイヤーは点数が低くてもいいのでできる限り早くアガることで1位をキープして終局するのが普通ですし、逆に4位のプレイヤーは多少見込みが薄くても順位を捲るために高打点を目指して手牌を組み立てます。

全く同じ配牌だったとしても、自分の置かれている状況によって取る選択が大きく変わってくるわけですね。

 

ポケモンカードについても同じことは言えて、余裕で勝ちそうなときは無理して何かカードを引き込みに行ったりせずに大人しく無難な攻撃をして番を終えたりする一方、勝ち筋が細い時は引ける枚数の少ないナンジャモで必要札が引ける前提のハイリスクなプレイをしたりすることもあると思います。

 

勝っているプレイヤーはローリスクローリターンな択を、負けているプレイヤーはハイリスクハイリターンな択を取るのが一般的であり、それが強い行動なわけです。これが今回書きたいテーマの前提です。

 

常にセオリー通り動くのが正解なのか

対戦ゲームをする上での基本姿勢はここまでに述べた通りです。

しかし常にこのセオリーに従って行動するのが本当に最も強いプレイヤーでしょうか。

 

僕はそうではないと考えています。そして、その考えに則った上で自分は非常に弱いプレイヤーだとも思っています。

 

その場でリスクリターンの勘定をして忠実に計算結果通りの行動をし続ける人が追い込まれた時、当然ハイリスクハイリターンな行動をとります。それしか勝ちを手繰り寄せる手段が無いからです。

高いリスクはそれだけ相手から突き崩される可能性のある隙であり、想定されていればされていただけ通りづらい択なわけですから、追い込まれてしまった常に計算通りに動く人は隙を見透かされて崩されてしまいやすいということになります。

 

ではどうすればいいかと言えば、ある程度は別に大して追い込まれていない状況でも高いリスクを負う覚悟を持つ必要があるということです。

 

理論通り行動することを知性的と捉えたときに、ある意味理性的とは言えない獰猛な選択のできる人こそ、勝負に強い人だと考えています。

 

”フィジカル”

フィジカル、とはスポーツで体格が大きいとか体力があるとかそういう強さを指す言葉です。

転じて、格ゲーなんかで操作技術や判断力ではなく物理的なフレーム単位での反応速度が常人よりも速いことを指したりすることがあります。

 

ここまでは感覚的にすぐ理解できるところなのですが、ポケモン(ゲーム)の対戦を見ている中でも”フィジカル”という表現を使うことがあります。(僕の周りだけかもしれませんが)

 

4つしか覚えていないワザを選ぶだけのポケモン対戦に体格の強さも反応速度も何も関係ありませんから、ここでいうフィジカルというのは何を指しているのだろうと考えてみるとここに述べた概念と、それを実現するアドリブ力が当てはまるんではないかなと僕は考えています。

 

戦況が五分~有利状況の時に理論的に素直な正解は当然大きなリスクは取らないということになりますが、その中でもリスクを負いに行くとするとどのタイミングで勝負するかはプレイヤーの嗅覚頼りになります。

この嗅覚というのを何となく当てずっぽうで働かせても順当に負けるだけなので、勝負に出たところで勝ちを取りに行くにはプレイヤー自身が積み上げてきたことがものを言うわけです。

 

折角の企画ですから好例を紹介しておくと、1日目に主催のいちょーさんが書いた記事中サーナイト対面での記述です。

note.com

 

とある大会のサナ対面、後手1エリカでゲッコウガを釣っただけで投了を貰えたことがありました。運だけと言ってしまえば運だけなのはそうなのですが、なるべくポーカーフェイスに努め、手札にあったナンジャモからゲームをスタートすればわからなかったはずです。相手の嫌そうな表情がそれはカビゴンを相手する嫌さのみから来るものなのか、手札の爆弾から来るのかを僕は目線などから推測し、余裕があることも加味してドローではなくエリカを優先しました。

 

僕だったら同じことを推測できても大人しくドロサポ打って負けてんだろうなあとか思いながら読みました。この判断ができるのは強いと思います。めっちゃすごい。めっちゃすごいです。

僕は日頃から自分の嗅覚が示しているリスクを負う択が頭に浮かびながらも、半ば強引に理性的な方を優先してしまうことが多く、本当に弱いプレイヤーだなあと思いながら順当に負けています。

 

WCSの配信なんかを見ていて個人的に一番盛り上がる瞬間というのはそういう動きをみられた時で、順当にそれっぽいことだけやっていても勝ち上がることはできないトッププレイヤー同士の駆け引きでこそ必要に迫られるリスクのある選択というのは何度見ても熱くなれるものです。

 

僕のプレイスタイル

あまり本筋とは関係のない自分語りを書きます。

ここまで書いたことを頭では考えていながら、どうしても弱気で普通な選択に引っ張られてしまうのは正直に言って性格的に避けづらい部分もあります。

克服するにはひたすら鍛錬、環境デッキは当然一通り全部作って毎日仲間と対戦して意見交換に励み大会にも出まくって経験を積みまくるしかないと思っています。このようなゲームへの取り組みを僕は筋トレと呼んでいます。

 

僕は筋トレがあまり好きではありません。それもまた弱いです。

真に強くなる方法ではないですが、対戦当日の勝負強さを発揮できなくても優位に立つ方法はあります。それが環境読みやデッキ作りなどの事前準備の精度を高め、独自性を出すことです。

当ブログを見ればわかる通り、僕は弱い上に筋トレからも逃げているどうしようもなく弱い人間である代わりに環境読みとデッキ作りを楽しんでいます。

 

どこかの記事でイトウシンタロウ選手がこの逆を言っていました。

『自分は弱いと思っているので奇抜なデッキで意表をついて勝つようなプレイスタイルだったが、最近はポケカの歴も長くて人よりも強くなったと考えて所謂環境で強いとされているデッキを使っている』みたいな内容だったかと記憶していますが、それを見たとき首が千切れるほど頷いた後「おれは!!!!弱い!!!!(ワンピースの画像)」と叫んでしまいました。おれは弱い。

なんかこれ去年も似たようなこと書いた気がするな。

 

話を戻すと、筋トレをするしないは置いておいても強い選択ができるようになるには常に視野を広く持って思考し続けるのが大事だなぁと思っています。いちょーさんのカビゴンの例だってそうです。

 

ここに書いた意味で強いなあと感じている人がもし周りにいれば、どういう考えでプレイしたか聞いてみると何か発見があるかもしれません。運だけと言えば運だけでも、本人の中には何かその決定を支える理由があるはずですから。

 

まとめ

自戒も込めて、勝負において常に理性的に見える選択が最強の選択ではないという話でした。

 

短くて抽象的な記事になってしまいましたが、僕と同じような弱さを抱えている人が自分のプレイを見つめなおすきっかけにでもなってくれれば幸いです。

 

明日以降のアドカレも楽しみにしています。ここまで読んで頂いた方は是非明日以降もチェックしてみてください。それでは。