はじめに
はじめまして。Lukeと申します。
5/6連休最終日、秋葉原チェルモにてシーズン4のシティリーグに参加してきましたので、使用したデッキについて書きます。
デッキリスト
デッキコード:MSyp2S-4vB4fT-2pXyE3
環境とデッキ選択
ドラパルトexの評価
変幻の仮面発売以降、ドラパルトexが環境上位を占めていました。僕は発売前からドラパルトexを使おうとは思っていたものの、これほど強いカードとして注目されるのは想定外でした。
というのも、ドラパルトexはリザードンexと異なり別に扱いやすいカードではないからです。
リザードンexであれば、進化さえしてしまえば自力で必要なエネルギー(逃げエネを含む)をすべて供給することができます。
一方でドラパルトexは技を使う気があるとは思えない舐めたエネ配分をしていますし、ドロンチの特性「ていさつしれい」もそれ単体でデッキを回すにはやや心許ない性能です。すなわちエネ加速も入れ替え手段もデッキエンジンも全て外注で用意する必要があり、色々なギミックを積んでぐちゃぐちゃのリストにしてようやく成り立つ弱いデッキの顔をしています。
まあそれでも多く使われたのはメインの進化ライン以外の部分を全部外注しても余りあるほど単体のカードパワーが高いということなんですが、こういう強さのカードは久しぶりに思います。
普段から環境上位とは程遠いゴミみたいな山を量産している僕としては、ドラパルトexからは親近感の湧くゴミ山の匂いがして使う気満々だったわけですが、蓋を開けてみるとシティリーグ使用率1位ドラパルトのデータがありました。
デッキ選択
そういうわけでドラパルトexは環境トップに君臨する器ではなく、レガシーエネルギーを得てまた滅茶苦茶なデッキになったルギアや、リザードン、サーナイトなどのどう見ても強いデッキが強くあるべきだと信じていました。
故に環境上位をメタる構築をするならばこれらの横暴なデッキたちを意識したかったものの、実際にはドラパルトexという謎の人気デッキに多く遭遇してしまう可能性が高かったため、何かのデッキを特に意識した構築を目指すと方針が一方向に定まらず迷走するだろうなと思いました。
以上のことから、特に何も賭かっていないワンチャン優勝狙いだけのシティリーグに向けては一貫して愛すべきゴミ山であるドラパルトexを研究して楽しむこととしました。
構築
環境のドラパルトexデッキ
シティリーグの結果などを見ていると、ドラパルトexには以下のデッキタイプが主に存在しているようでした。
そしてそのほぼ全てが共通して、ロトムV + 森の封印石 + ペパー多投の構築となっていました。
エネ加速を外注しなければならない以上エネ加速特性を使わない場合は必然的にメロコかネオアッパーエネルギー等に頼ることになり、ネイティオやリザードンを採用していない構築では主にエーススペックとしてネオアッパーエネルギーが採用されているように見受けられました。(メロコに頼り切る場合はメロコを打つことを正当化するためにアンフェアスタンプを採用している構築が多数の印象)
一方、エネ加速を特性で補っているネイティオ型とリザードン型については、ミラー等で強く戦えるポケモン回収サイクロンの採用が中心であるようでした。
ドローサポートについて
ドラパルトexの「ペパー」というサポートに非常に懐疑的な気持ちがありました。その理由について書いていきます。
多くのドラパルトexデッキがロトムV + 森の封印石 + ペパー多投の構成になっていたのは同じく2進化exであるリザードンexの構築を踏襲したものであるように感じました。
リザードンexは進化さえできてしまえば即座に攻撃に転ずることが可能であるため、不思議な飴とハイパーボールの片方とペパーが手札にあれば持っていない方をペパーでサーチすることで素早く攻撃ができます。
しかし、ここまでに述べたようにドラパルトexはリザードンexと違って要介護ポケモンなので、ペパーを打って飴とハイパーボールを揃えたところでエネルギーは手札に用意できませんし、後続にも手貼りし続ける無理難題が立ちはだかっています。(大地の器を採用することでペパーをエネルギーに変換することはできますが、代わりに飴と進化先を事前に抱えておく必要があります。)
ついでに特性ていさつしれいとハイパーボールの相性も最悪です。ていさつしれいは山札の下に不要なカードを送るため基本的には山札を混ぜるカードとの相性が悪く、ロストデッキ同様選ばれた方の強いカードのみが手札に蓄積していく&手札の枚数そのものは1枚しか増えないのでコストの重いハイパーボールとの相性は悪いです。ハイパーボールでドロンチに進化する動きも手札の枚数で損をしています。
また、リザードンexはサイドを先行されればそれだけ強力なカウンターを見舞うポケモンであり、ロトムVが場に出て倒されることでサイド2枚を容易に渡してしまうリスクや、即席充電を連打して待ち続け攻撃をしないことのデメリットが緩和されています。
一方でドラパルトexは早く攻撃できればできるだけ強いという真逆の性質を持つポケモンであり、ドラパルトexデッキにおけるロトムVは本当にただ森の封印石を貼られるために存在し初速を少し上げるポケモンでしかありません。
もちろんペパーをたくさん積む以上はカウンターキャッチャーや回収サイクロンのようなカードで中盤以降のペパーを腐らせないように構築されてはいるのですが、ペパーで特定の状況に対応するグッズをサーチするのは攻撃をするドラパルトexが育っている前提の話であり、エネルギーの面で後続を用意するのが簡単なリザードンexとは性質が異なります。
博士の研究、ナンジャモ、ネモなどの縦引きサポートにあってペパーに無い「ついでにエネを引ける」という要素が重要で、ペパーではドラパルトexを介護できないと思いました。
手札干渉の必要性
環境に蔓延るデッキは全体的に「手札を放置しておくとエライことになる」傾向が強くなっていました。
ここまでに述べたロトムV採用のデッキが多いことも1つですし、とりあえず投げたキャプチャーアロマでアーケオスを手札に抱えたまま番を終えたり風詠みしたりしたルギアや、ロスト系のデッキもこれに該当します。
強いデッキの強い手札を放置しておくともう何使ってもどうしようもありません。勝てません。強いので。
ペパーを前提に構築すると手札干渉ができないというのも、ペパーの弱さの1つだと言えます。
手札干渉しないサポート
過去の記事でも散々言い続けていることですが、相手の動きが弱そうなのにわざわざナンジャモを打って差し上げるほど愚かな行いはありません。
手札干渉をデッキに組み込むのであれば、相手が事故っている時に自分だけ盤面を伸ばすシステムは同時に必須となると考えています。
ペパーはこの役割を果たしてはいるのですが、手札が増えるどころかハイパーボールや大地の器等のサーチによって何なら減るので、次の展開が繋がらずジリ貧になってしまうサポートです。
どんなに手札が細かろうがリザードンが立ちさえすればエネルギーもつくし逃げれるしどんなデカいやつも倒せるので何でもいいリザードンexと違って、ドラパルトexにはエネルギーを毎ターンわざわざ手貼りしてやる必要がありますから、手札が細いことは技宣言の遅れによって負けに直結するリスクとなります。
このような考えの時にベースとなるサポートはあくまでも「ネモ」や「アクロマの実験」であるのですが、ネモではパワー不足で、アクロマの実験もエネルギーもポケモンも次のサポも全部必要な要介護ドラパルトにとってロスト2枚の選択はやや苦しいです。
そこで着目したのが「ワタル」です。サポ1枚使って手札が3枚増えるって書いてるので実質ネモです。
ドラパルトexのワタルがドローサポートと呼べるのは、ワタルから特性ていさつしれいに繋がり、山札にそこそこの枚数がある基本エネルギーくらいなら引けるカードと見なせるおかげです。これはネモです。
採用カード・不採用カード
(再掲)
ハイパーボールが弱いので、進化ポケモンはできるだけ現物を多く積んでいます。
ピジョットexも元々3枚でしたが、ピィの採用に伴って1枚はフェザーボールに替えました。
・ピィ
手貼り逃げから次の準備ができ、初動の保険になってくれるカードです。
・かがやくフーディン
唯一逃げ2以上のポケモンであり、縛られることやスタートのリスクを考慮するとできるだけ入れたくないポケモンではあるのですが、ファントムダイブを200+60から180+80あるいは220+40にできる価値が高く、HP220や280に対応しやすくなり、ミストエネルギーの影響を少し和らげることもできる点を評価して抜くことができませんでした。
どうでもいいですが、たまにフトゥーのシナリオで出しなおして特性を2回宣言することがあります。
・ヒスイのヘビーボール
ドラメシヤのサイド落ちが重いので採用。
・ワタル
2枚目までは有効に使えることが多いので3投。
・ボスの指令 / カウンターキャッチャー
以前ダイバレットのインテレオンVMAXを擦り倒していたときに痛いほど身に染みている経験として、「この手の小さい打点を後ろに撒くポケモンはボスの指令が無くてもサイドが取れる」ではなくむしろダメージの効率を最大化するためにボスの指令をどんどん使っていきたいです。
ボスの指令を打ちたいときに打つという観点からもペパーの評価が落ち、ピジョットexを採用することとなりました。
カウンターキャッチャーは捲りの手段として以下の2つのいずれかに該当する場合に強力だと考えています。
①ベンチにいるデッキエンジンとなっているシステムポケモンを倒しながら手札干渉サポートを使用する。
②ロストマイン等のバトル場を倒さずにベンチだけを攻撃する手段があるときに、戦えないポケモンを呼び出しながら手札干渉サポートを使用して無償でダメージを撒く。
①は、ドラパルトexであればビッパやポッポを呼び出さなくても倒すことができ、ピジョットexは呼び出したところで倒すことができません。
②は、ファントムダイブが前に200点も出るせいで基本的には成立しません。
これらの理由から強力に感じる場面が少なかったので、ボスの指令を厚く採用する方に振り切りました。
カビゴンにちょっとだけ抗うカードです。元々手札を流す気満々なのでそれだけならミカルゲでいいのですが、あまりミカルゲが他の対面で有用ではなさそうだったため使いどころの多そうなスグリにしました。
ミカルゲが欲しい状況というと対カビゴンに限らずロトムVを止めたいときと、ルギア対面かと思います。
しかしレガシーエネルギー + オーガポンいどのめんexの採用が主流となり、何故かルギア対面ですらマナフィを置かされる羽目になっているのでミカルゲを出すスペースがありませんでした。
・ボウルタウン
ネオアッパーエネルギーを止められるシンオウ神殿が思っている以上に重たかったので、スタジアムを割れる枚数を確保するためにネストボールの枠をこちらに少し譲りました。
・シンオウ神殿 / 改造ハンマー
自分からネオアッパーエネルギーを使いたい以上シンオウ神殿が使いづらいことはたまにあるのですが、それでもルギア対面でレガシーエネルギーとギフトエネルギーとミストエネルギーを同時に止められたり、全体のミストエネルギーを止めながらデヴォリューションを使えたりするのは改造ハンマーにはない利点で価値が高かったのでシンオウ神殿を優先しました。
当日のマッチング
予選
1戦目:リザードンex(アルセウス/ピジョット) 先攻 勝ち
手札を流してやるとポッポが進化せず倒し続けることができたので、様子を見ながら手札を流したり流さなかったりして勝ち。
2戦目:ロスト(水雷超/シークレットボックス) 先攻 勝ち
ジェットヘッドからのスタートになりましたが、ウッウに乗せた7点をペインスプーンでキュワワーに散らしながらファントムダイブで毎ターン2枚ずつサイドを進めて勝ち。
3戦目:おまつりおんど 後攻 勝ち
かがやくフーディンスタートしてしまいましたが、執拗にポッポを狙ってくる中でマインドルーラーでサイドを2枚進め、3枚目のポッポは呼び出されずに運よく進化できて勝ち。
5戦目:ミライドンex 先攻 負け
後1バトルクローポッポ
後2プライムピジョットアームプレス
後3ボスポッポプリファイ
で1-6からスタート。先3でジェットヘッドを宣言して削ったテツノカイナをダイファントムで倒しながらツツジ、ベンチの呼び出し札を消費させていたのでドラパルトexでの受けまわし+手札干渉で返していくプランを立て、ていさつしれい3回+ナンジャモ4枚でネオアッパーに触れば勝ちかなぁってところまでは捲ったけど引けず、負け。
6戦目:ルギアVSTAR 後攻 勝ち
後1ジャッジマンからハイパーボールアーケオス2枚を決められてしまったものの、チラーミィがHP60だったのでミストエネルギーをシンオウ神殿で止めながらなんとか復帰して勝ち。
予選 5-1 (3位通過)
先2ファントムダイブなんて一度もできなかった(するつもりの構築ではない)ですが、盤面をしっかりと作ってから戦って相手の上振れ行動も超えて捲っていけたのが良かったかなと思います。
決勝トーナメント
1戦目:ロスギラ 後攻 種切れ 負け
マリガン3枚渡した上にサポもボールもドロンチも無くて何も引けずに月光手裏剣打たれるまで黙って見てることしかできませんでした。
おわりに
練習やってて何かもう勝てる気せんな~みたいな状態からなんやかんやで勝ってるみたいなことが多くて、やっぱり2エネ260のダメージ量がすごいんだろうなって思いました。でもやっぱりゴミ山はゴミ山だと思うのでこれからも使っていきたいと思います。楽しかったです。
今シーズンもお疲れさまでした。
何か質問・感想等ありましたらTwitter(X):@Luke_Noivernまでお願いします。
おまけ
マッドパーティ改
デッキコード:QgP6n6-6j11zu-HgLnnH
以前こちらで紹介したデッキの大幅アップデートです。
特性きゃくよせのシャリタツで古代サポートへの継続的なアクセスが可能になり、デッキがかなりスッキリとまとまりました。アンフェアスタンプもかなり大幅な強化です。
シャリタツのために緊急ボードを採用していますが、これによって1ターン目のサケブシッポex技宣言やハバタクカミ前を実現しやすくなり、悪質な動きを取りやすくなりました。
ついでにHP90のサケブシッポを入れずに済むようになりスタートして困るポケモンがいなくなりました。
使い勝手はなかなか良いのでこの場で公開しておきます。